2010年2月28日日曜日

短き夏の想い出を

ドイツ語に「懐かしい」という意味の言葉はないと聞くが…本当なのだろうか。 日本人にとっては最も大切な感情のひとつかも知れないが。
(↑写真 ひまわりを…伐らぬのも分かる気がする…)

2010年2月27日土曜日

出る杭は…しげる?

巨木になれるかどうかは葉っぱの総量で決まるらしい。森の中ではなく、ある程度孤立していなければ繁ることができず、従って大きくもなれない。人の場合もその辺のバランスが難しい…かな?
まぁ小っちゃくっても志は高くいたいものだが。
(↑写真 小さな氷も鳥のように…空を目指している!?)

2010年2月26日金曜日

意図過ぎ…だったのかな?

イタリアトスカーナ地方の糸杉の風景に憧れる。農民たちの長年の戦いの集大成の美…
昔スイス人の友人が遊びに来てくれた時、我が家の周りの雑然とした森を「美しい!美しい!」とやたら喜んでくれたが…そんなもんかな?
(↑写真 山と森と空と…それだけでも十分美しいが…)

関連記事 http://bit.ly/9gdV6R

2010年2月24日水曜日

別れのフェルマータ

船での別れほど辛いものはない。出航しても、いつまでもいつまでも船の姿が消えてくれない…。でも、一番「さよなら」を納得することができる。
(↑写真 今年の「冬」は割と余韻が長い気がする。)

2010年2月23日火曜日

そんなあなたも美しい

「あの頃、キスカの荒涼とした風景に魅かれて絵を描いたが、どうやら足元の小さな自然には何も気が付かなかったらしい。ツンドラの小さな花々、風に揺れる草、苔の美しさ…五十年ぶりにやって来て、今やっと気がついた。ああ、ただそれだけを言いたかったんだよ。」
  星野道夫「キスカ」より

(↑写真 針葉樹の葉にも、苔のようなキラキラが)

2010年2月22日月曜日

ゴールを見たら負けと思え

ゴールが見えると筋力など能力が落ちるのだとか。だから実際よりもちょっと先にゴールを定めておいた方が良いと聞く。でも…どうやって自分を騙す??
昨日の早朝散歩していたら突然「自然に呼ばれて」しまった。もう「聞こえないふり」が大変で…。それこそ「ゴールはまだ先!」と叫びつつ。
(↑写真 あの木はゴールではないのだ…と)

2010年2月21日日曜日

日々是推理小説也

「写真に撮るくらいならもっと肉眼で見ておきたい」
そんなことを思った時期もある。確かにその瞬間はそれがベストなのだが…。人の記憶は儚くて、あっという間にその形を崩していってしまう。言葉でも、映像でも良いから何か「手がかり」を残しておきたいと思う。
何を見ていたのか何を感じていたのか…。誰かが残した「手がかり」から「その時」を導き出すのも好きだ。たまに片づけをしていて古い写真でも見つけてしまったりすると…心の旅から帰ってこれなくなってしまう。
(↑写真 小さな刃は、まもなく大きな旅に出るのだろう)

2010年2月20日土曜日

春の花をいざないつつ

崩れ始めた冬の華…水としての人生がそろそろ始まる。この場所に同じ姿で戻ってくることは、まず無いだろう。

2010年2月19日金曜日

包まれていた音楽

10年ほど前、チャランゴという楽器のケースの製作依頼を受けたことがある。結局作らずじまいだったが…
楽器のケースというものは、中身と同じような顔をして、主人を永遠に守り抜こうとする…まるでツタンカーメンの黄金のマスク。今のようなケースが無かった頃、楽器の運搬はどうしていたのだろう。わずかに残る古の吟遊詩人のハープ。その写真には不自然なへこみが。馬の背中で擦れたのだろうか…
山を歩くとき、必ずコカリナを携行するが、ケースにも入れずすでにボロボロ…。それでもきれいな音を内に包んでいてくれることが、妙に嬉しかったりする。
(↑写真 池を包む氷は解け始め…もうひとつの梢があらわれた)

2010年2月18日木曜日

12年の時を越えて

連日バンクーバーオリンピックの熱戦が続いている。
オリンピックと聞いてやはり印象深いのは長野オリンピック…何年前だ?…もう12年??
長野オリンピックの頃には、すでにコカリナを作っていて連日徹夜。競技時間に時差があってくれた方が良かったとぼやきつつ。(夜が寂しくて)
木工の師匠(谷進一郎さん)の方にも通っていて、そちらで聞くラジオのオリンピックの楽しいこと楽しいこと!里谷が金メダルを取った瞬間はカンナがけ中だったのだけど、あの寡黙な師匠と踊り出さんばかりの大喜び!弟弟子だけが「仕事場で騒いでんじゃねぇよ」とばかりに無関心。まるで昨日のことのような長野五輪。

 天雲の わめきのなかに湧きいでて
 いらだち燃ゆる サイプレスかも
         (宮沢賢治)

(↑写真 木はサイプレスではなくクルミだけど…)

2010年2月17日水曜日

蒼き宙を漂うレゴリスの船

宇宙ステーションからの野口さんの写真は、いつも刺激的だ。写真そのものというより、ほぼリアルタイムで気軽に見られてしまうことに驚いてしまう。

「生まれてこのかたなにに一番驚いたかと言えば水一滴もこぼさずに廻る地球を外からパチリと写した一枚の写真」
   茨木のり子「水の星」より

宇宙からの映像は、僕らの心に少なからず影響を与えているはず。少なくとも「行ってみたい!」という気持ちは高まっている。
「一つ屋根の下」から「みんな空の下」へ。「あの星の友と」の時代もきっとすぐそこ?
(↑写真 もの言わぬ太古の宇宙ステーション)

2010年2月16日火曜日

雪があると音がない

今日も静かな朝…
この冬は、それほど雪は積もらなかったが、粉雪が舞う日は多かった。風のない日。垂直にゆっくり降りてくる白い粒は、本当に幻想的だ。

 雪は山堂を擁して樹影深し
 檐鈴動かず 夜沈沈
 閑かに乱帙を収めて疑義を思えば
 一穂の青灯 万古の心
        冬夜読書(菅茶山)

たまには夜明けまでじっくり本でも読んでみたいものだ。
(↑写真 それでも雪の下の氷が、少しずつ割れて…)

2010年2月15日月曜日

世界は無限に広がっている

「活字は中毒になり易い」などと聞いたことがあるが…自分もそんな時期があったように思う。
ある一定期間「活字」から解放されると(経験済み)中毒は治まり、シャバ(?)に戻っても新聞にすら目が行かなくなる。
結局人間は「目の前のこと」を処理しているだけなのかな、と思ったりする。
たまたま目の前に「情報」が転がっていたからインプットしているだけで、どれだけ知っても100パーセントにはならない。いっそ「無」にしてしまった方がイマジネーションが湧く?(まぁ極論だろうけど…)
とか呟きながら、確定申告の準備をサボる口実を探している…
(↑写真 足元にも広がる空…)

2010年2月14日日曜日

美しき絶縁体

先日降った雨や雪は、あらゆるものにまとわり付き、すっかり氷でコーティングしてしまった。しなの鉄道も架線にこびりついた氷のせいで運休状態。数日の間鉄路は遺跡のように美しく輝いていた。
(↑写真 冷たいフィラメント?)

関連記事http://bit.ly/cXthZt

2010年2月13日土曜日

包まれていた方が幸せ?

ヤナギやシロツメクサはかつて梱包材として利用されていたため、捨てられた先で繁殖したらしい。今でいうところのバラスト水みたいなもの?帰り道を失った梱包材が今、地球を包んでいる…
(↑写真 冬の緩衝材?もそろそろ隙間が目立ってきた)

2010年2月12日金曜日

千の枝になって

「この世で、人はほんの短い時間を、土の上で過ごすだけにすぎない。仕事をして、愛して、眠って、ひょいと、ある日、姿を消すのだ。人は、おおきな樹のなかに。」長田弘「アメイジング・ツリー」より
(↑写真 樹に対峙すると…確かに何かが伝わってくる気がする)

2010年2月11日木曜日

紅日暮れに思うこと

「赤い鳥小鳥なぜなぜ赤い 赤い実を食べた」(北原白秋)
僕らが食べた赤は…どこにいったのだろう?夕焼けの空に、のぼっていってしまったのだろうか。
(↑写真 くれないひぐれ…ん? 日が長くなりました…)

2010年2月10日水曜日

スクラッチブルース

ひとつ目の傷は…悲しい。百個もつくと嬉し…くはないかも知れないがきっと…愛しい。
(↑写真 朝日が描いたスクラッチマーク?)

2010年2月9日火曜日

昼と夜の対称性

木工の仕事でも、体を左右対称に使うことなんて滅多にない。大概ハスに構えているものだ。熊だって必ず右利き(だっけ?)なんで見た目は左右対称なんだろ。そう思って自分の手を見てみたら…おぉ!右手の方が分厚い!蜜がよく染み込んでいるから?(熊じゃないって…)指は…左手の中指が目立って長いな…
(↑写真 やっとこの頃日が長くなってきたようで明け方の月も光が柔らかくなった。昼夜の時間がそろう日が待ち遠しい。)

2010年2月8日月曜日

思い出は儚くて…

何年も使い込んだ机でも、削り直してみればアットいう間に新品のようになってしまう。あの傷やシミはどこに??わずか0.5mmの厚さに刻まれた記憶という記録…。実はDVDより高密度かも。
(↑写真 冬の近道の記憶も、そろそろ限界の薄さ)

2010年2月7日日曜日

木で木を洗う

花粉症にはユーカリのアロマオイルが効くのだとか。漆かぶれには柿の葉の煮汁が良いと聞く。
木で起こるアレルギーを木で防ぐ…。敵と味方は紙一重。
(↑写真 太陽の下では皆同じ生き物なのだが…)

2010年2月6日土曜日

待ち遠しきや香る春

先日クロモジの香りについて書いたが、アロマオイルとしても利用されるようだ。

http://bit.ly/bJVtXS

宮沢賢治も「なめとこ山の熊」の中でこう書いている。

「クロモジの木の匂いが月の明かりと一緒にすぅーっと差した。」

月夜の森で、いつかクロモジの香りに出会ってみたいもの。熊には会いたくはないが…

(↑写真 香るにはまだ当分先の桜の枝)

2010年2月2日火曜日
残せないメモリー
http://tamo2s.blogspot.com/2010/02/blog-post_02.html

2010年2月5日金曜日

春が立たずに腹が立つ!?

節分に恵方巻きを黙って丸ごと食べる習慣はいつから始まったのだろう?昨年初めて挑戦してみたのだが、スーパーで買ってきた何てことのない太巻きがとても美味しくて…それを「美味しいね!」と話しながら食べられないことがとにかく辛かった。
「喜びは分かち合ってこそ…」
それに気付かせてくれた、という点においては良い「節目」だったと思う。
(↑写真 立春だというのに真冬の様相)

2010年2月4日木曜日

本当のことは見つけにくい

いささかなれど物作り出でん人は、心苦しむ業なり。作り出せる人のいくばくか、心を砕きけん、捨てられまじきを。
  百人一首一夕話より

(↑写真 雪面に見つけた…星空?)

2010年2月3日水曜日

ナガーノ・イタリアーノ・ボルケーノ

イタリアンレストランに行くと、テーブルに「ペペロンオイル」が置いてあることがある。あれがどうしようもなく好きで、つい掛け過ぎてしまう。オリーブオイルに唐辛子を漬け込んで自作しようと試みたが無理だった。ネットでも販売先が分からずすっかりあきらめムード。しかし灯台もと暗し。長野の老舗が似たようなものを出しているではないか。これは美味しいに違いない。
http://bit.ly/8ZCIMD
いろいろ調べてみると、イタリアの食材とのコラボも発見。
http://bit.ly/9qIrbE
幕張メッセでのフーデックスに出品されるようだ。これは行ってみたい。
(↑写真 浅間山の真っ赤な吐息!辛いものでも食べた?)

2010年2月2日火曜日

残せないメモリー

クロモジという木を加工する機会に恵まれた。僕にとって初めて扱う木。恐る恐る削ってみると…お!すごく良い香り!最初は高級な香水のような柑橘系。それが徐々に山椒っぽい感じに変わっていく。濃密な生命の気配。木は伐られても生きていることを実感する。
匂いはネットでは伝わらないのが残念だ。小学校の頃「未来のテレビ」というテーマの作文で「匂いが出るテレビ」について書いたことがあったが、現在どのくらいまで実現可能なのだろう。
ふと…街角で、居るはずのない祖父の匂いに出会い、残り香を追ってみたことを思い出した。

2010年2月1日月曜日

ストーブサイドブロガー

落合恵子さんの新聞コラムに「キッチンテーブルライター」という言葉を見つけた。致し方ない場合は気の毒だが、雑然としていた方が筆が進むということはありそうだ。かくいう僕も、ストーブの横で寝っ転がって、足の裏あっためながらこれを書いている…(失礼!)

木工の仕事は、シャンと姿勢を正してやらないとね!
(↑写真 朝日の入りはじめた工房で、作りかけの椅子パーツ)