2010年3月13日土曜日

四方正面の職人を目指す

仏像は「四方正面」つまり表とか裏とかがない。宗教的な意味合いなのだろうけど…椅子を作るときなどその事をよく思い出す。実はどこも正面なのではないかと…。
木製の仏像にはよく鑿跡を残したままのものがある。あれは「化現」と言って、樹から姿を変えている途中なのだとか。決して手を抜いているわけではない。
木工修行を始めた当初、兄弟子に「精一杯やって全部下手なのは、それなりに尊いことだ」と慰められたことがある。何気ない一言。でも僕をずっと支えてくれている。
(↑写真 一滴一滴…春が来る)