2010年2月19日金曜日

包まれていた音楽

10年ほど前、チャランゴという楽器のケースの製作依頼を受けたことがある。結局作らずじまいだったが…
楽器のケースというものは、中身と同じような顔をして、主人を永遠に守り抜こうとする…まるでツタンカーメンの黄金のマスク。今のようなケースが無かった頃、楽器の運搬はどうしていたのだろう。わずかに残る古の吟遊詩人のハープ。その写真には不自然なへこみが。馬の背中で擦れたのだろうか…
山を歩くとき、必ずコカリナを携行するが、ケースにも入れずすでにボロボロ…。それでもきれいな音を内に包んでいてくれることが、妙に嬉しかったりする。
(↑写真 池を包む氷は解け始め…もうひとつの梢があらわれた)